オーラルフレイル予防

元気なお口で健康長寿!オーラルフレイル予防教室

①フレイルとは?

人の寿命のうち、介護や医療に依存せず自立して生活できる期間を

健康寿命といいますが、残念ながら平均寿命と比べて9〜12年も短いことが分かっています。

健康寿命を伸ばし、元気で長生きするために、いま注目されているのが「フレイル」への対策です。

 フレイルとは高齢に伴って筋力や精神力が衰え、健康障害を起こしやすくなった状態で、健常者と要介護者の中間的な段階です。高齢者の多くはフレイルを経て要介護へ移行するため、フレイルの予防が介護予防につながります。

 フレイルの予防には、健康長寿の三つの柱「栄養・運動・社会参加」を充実させることが大切です。バランスの良い食生活、適度な運動、他人とのコミュニケーションを継続することで心身の衰えを防げます。生活習慣病の予防とコントロールも重要です。

   三つ以上当てはまるとフレイル

□ 過去6ヶ月間で2〜3キロ以上体重が減った

□ ここ2週間、わけもなく疲れたような感じがする

□ 運動や体操をしていない

□ 利き手の握力が男性26㌕未満、女性18㌕未満

□ 歩く速さが毎秒1メートル未満


②オーラルフレイルとは?

歯科医師会では、フレイルの入り口でもある「オーラルフレイル」の予防に力を入れています。

 むせ・滑舌の低下・食の偏りなどがオーラルフレイルの症状で、軽いものであっても徐々に進行することで全身のフレイルにつながります。

 食べこぼしが増え、他人との食事が面倒になる、滑舌が悪くなって人との会話を避けるようになる…などにより家にこもりがちになると、さらなる筋力の低下や精神の抑うつを招いてしまいます。

​ オーラルフレイルの予防にも栄養・運動・社会参加が大切です。日頃から会話や咀しゃくなどお口の機能をしっかりと使って、筋力や意欲の低下を防ぎましょう。お友達とのカラオケや食事会、趣味のコーラスといったものにもどんどん参加してください。(もちろんコロナウイルスの感染終息後にお願いします。この記事が公開される頃には、終息の兆しが見えてきていることを切に願います。)

​ むし歯や歯周病の放置はオーラルフレイルを著しく進行させます。きちんと治療を受け、かかりつけ医での定期検診でお口の健康を保ちましょう。保健センターの介護予防教室などへの参加もおすすめです。

健康長寿を目指して頑張りましょう!


こんな症状はオーラルフレイルかも?

オーラルフレイルは非常に緩やかに進行するため、自分で気づくことが難しいです。

明らかに衰えが分かるような状態は、既に要介護の一歩手前かも。早めの気づきが大切です。

例1 この頃、食べ物の味が薄く感じる。味覚が衰えたかも知れない。

   ソースや醤油などをたっぷり掛けるようになってしまった。

味覚もですが、咀しゃく力が低下しているかも知れません。

食物はしっかり噛み砕かなければ味がお口の中に広がりません。

いつの間にか軟らかい食品ばかりになっていませんか?

例2 最近、唾液がたくさん出るようになり口からこぼれてしまう。

通常は加齢に伴い唾液の分泌は低下していきます。この場合は

増えているのではなく、口唇や頬の筋力の低下により口唇の

閉鎖力が弱くなって唾液がこぼれている可能性があります。

 

例3 歯はほとんど残っているし、むし歯も歯周病も大丈夫と言われたのに

   ご飯が全然うまく噛めない。時間がかかって仕方ない

咀しゃくという運動は、歯だけではなく舌や頬の筋肉、顎を動かす

筋肉など、たくさんの器官による総合運動です。

歯や歯茎に問題がなくても舌や頬の動きが衰えると、噛み砕いた

食べ物を上手に歯の上に乗せることが出来ません。餅つきの時、

つき手と合いの手が噛み合わないと上手につけないのと同じです。

  心当たりのあった方は、セルフチェックしてみましょう!


​わたし、オーラルフレイルかも?

もしもオーラルフレイルの可能性があったとしても心配いりません。

全身のフレイルや要介護状態まで進む前に気づくことが出来て幸運だったとも言えます。

今なら食生活や生活習慣の見直しで改善することが出来ます。

むし歯や歯周病、合わない義歯はオーラルフレイルの原因になりますので、心配でしたら かかりつけ医でのチェックを受けましょう。

「栄養、運動、社会参加」の三本の柱を充実させることが、フレイルを防ぎ健康長寿へとつながります!

お口の健康体操でオーラルフレイルを予防しましょう!

 

​  YouTube 日本歯科医師会公式チャンネル

​「日歯8020テレビ 口腔体操でオーラルフレイル予防」

 YouTube 愛知県歯科医師会

「お口のさわやかエクササイズ」

  令和3年度 歯と口の健康教室

『守山区歯科医師会』HPより